ラグナロク―――――

それは神々さえも逃れられない滅びの運命であり、
それによって世界が全て滅んでゆくという誰かの予言である。

太古の昔、偉大なる神々と巨人族の争いによって、
世界は第一次ラグナロクを迎える事となった。
それにより世界全てが極寒の冬を迎え、大地は海の底深くに沈んでいったという。

しかし世界はやがて再生する。
新しい大地が生まれ、新しい生命が生まれ、新しい世界が完成する。
太古の昔、ラグナロクが起こる前に存在した世界と同じモノがそこに出来上がる。


だが、全てが同じとなるわけではなかった。
神族も、巨人族も、小人族もそして精霊族も……
それぞれが以前とは別の進化を遂げ、それぞれの世界で己の運命を全うしていた。

愚かなのは人間であった。

彼らは数ある種族の中で、最も知能の低い生き物であった。
世界の偉大さを知らぬ彼らは、自らの手で再び世界を壊そうとしていた。


それ故、神々は人間界を監視下に置く事にした。
人の命を、人間界の全てを、彼らは幾冊もの本の中に纏めたのだ。
いつでも滅ぼす事が出来るように――

それらの本は、神界にも、人間界にも、
その他の何処の世界にも属さない、歪(ひずみ)の空間へと保管された。
そして【とある神】が、その本を全て管理し、人間界の全てを背負う事となった。


――これが俗にいう【世界の始まり】と、【死神図書館】誕生のいきさつである。

第二次ラグナロク預言書 第一章一節より